2017年3月5日

むかし見た芝居6―初芝居感談(2006年1月大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」夜の部)



最近は忙しさにかまけて芝居見物もすっかりご無沙汰です。そんなときに昔見た芝居のノートを読み直すと、いちばん芝居に熱中していた20代後半から30代初めの頃の情熱を思い出し、久しぶりに芝居を見に行きたいという気になります。今回紹介するのは2006年1月の大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」夜の部の観劇ノート。改めて思い返すと、仁左衛門と玉三郎というゴールデンコンビの芝居を見たことは自分の観劇歴の財産。そして愛之助が全国的に注目されるきっかけも、この芝居だったと思う。同時に、あの頃は澤瀉屋のホープとして活躍していた段治郎や春猿が、今では新派へと転向したこと、竹三郎の後継者だった薪車が、今では市川九團治となっていることもまた歌舞伎界の変転を見る思いです。あと、この頃の私は「大坂の芝居とは何か」ということに異常なこだわりを持っていて、それを型の分析や声の質に対する批評で考えようとしていました。若気の至りでもありますが、やはり今でも「大坂の芝居とは何か」ということへのこだわりを持ち続けています。

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